抗がん剤情報

ハーセプチン

抗がん剤情報

公開日:2020年4月21日

更新日:2023年6月24日

ハーセプチン(一般名:トラスツズマブ(遺伝子組換え))について、独立法人医薬品医療機器総合機構公表のハーセプチンの添付文書、患者向医薬品ガイド、インタビューフォーム、くすりのしおりの情報等に基づいて、適応のがん種と副作用を中心にまとめました。一部の副作用については、そのセルフケア方法を当サイトの「副作用の対処法」で紹介しています。

総称名ハーセプチン                     
一般名トラスツズマブ(遺伝子組換え)
販売名(販売開始年月)ハーセプチン注射用60(2004年8月)
ハーセプチン注射用150(2001年6月)
製造販売元中外製薬株式会社
効能効果○HER2過剰発現が確認された乳癌
○HER2過剰発現が確認された治癒切除不能な進行・再発の胃癌
最新情報年月2022年12月

主な副作用

重大な副作用

  • 心障害
  • Infusion reaction
  • 間質性肺炎・肺障害
  • 白血球減少、好中球減少、血小板減少、貧血
  • 肝不全、黄疸、肝炎、肝障害
  • 腎障害
  • 昏睡、脳血管障害、脳浮腫
  • 敗血症
  • 腫瘍崩壊症候群

その他の副作用

HER2過剰発現が確認された転移性乳癌

(発現頻度 10%以上)

  • 消化器:悪心・嘔吐(16.8%)
  • その他;発熱(31.5%)、悪寒(20.0%)、疲労(10.5%)
HER2過剰発現が確認された乳癌における術後補助化学療法

(発現頻度 1%以上)

  • 精神神経系:頭痛
  • 消化器:悪心、下痢、嘔吐
  • 循環器:動悸
  • 呼吸器:呼吸困難
  • 皮膚:爪の障害、発疹、瘙痒症
  • その他:無力症、悪寒、発熱、疲労、 関節痛、筋肉痛、インフルエンザ様疾患、上気道感染 (鼻炎、鼻咽頭炎、咽頭炎等)
HER2過剰発現が確認された治癒切除不能な進行・再発の胃癌

(発現頻度 10%以上)

  • 精神神経系:ニューロパチー
  • 消化器:悪心、嘔吐、食欲不振、下痢、口内炎、便秘
  • 皮膚:手掌・足底発赤知覚不全症候群
  • その他:疲労、無力症、粘膜の炎症、体重減少
HER2陽性の根治切除不能な進行・再発の唾液腺癌

(発現頻度 30%以上)

  • その他:倦怠感、末梢性浮腫、低アルブミン血症
がん化学療法後に増悪したHER2陽性の治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌

(発現頻度 20%以上)

  • 消化器:下痢(36.7%)

「その他の副作用」の中で10%以上の発現頻度(HER2過剰発現が確認された乳癌における術後補助化学療法では1%以上、HER2陽性の根治切除不能な進行・再発の唾液腺癌では30%以上、がん化学療法後に増悪したHER2陽性の治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌では20%以上)を示しています。5%未満(HER2過剰発現が確認された乳癌における術後補助化学療法では1%未満、HER2陽性の根治切除不能な進行・再発の唾液腺癌では30%未満、がん化学療法後に増悪したHER2陽性の治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌では20%未満)の症状についてはハーセプチンの添付文書(11.副作用 11.2 その他の副作用)でご確認ください。

トラスツズマブ(遺伝子組換え)
独立行政法人 医薬品医療機器総合機構:医薬品副作用被害救済や稀少病認定薬の研究振興調査などの業務案内。

副作用に対するセルフケア

「対処法をみる」ボタンをクリックすると、セルフケア方法と関連するアイテム・サービス情報を紹介しているページ(内部リンク)へ移動します。

悪心・嘔吐

だるさ・倦怠感

皮膚障害

食欲不振

口内炎

参考文献・ウェブサイト
  • 添付文書 2022年12月改訂(第5版)
  • PMDA 独立法人医薬品医療機器総合機構 ハーセプチンの添付文書、患者向医薬品ガイド、インタビューフォーム、くすりのしおりの情報が得られます。また、重篤副作用疾患別対応マニュアルでは、重大な副作用にある症状に関する情報が得られます。
トラスツズマブ(遺伝子組換え)
独立行政法人 医薬品医療機器総合機構:医薬品副作用被害救済や稀少病認定薬の研究振興調査などの業務案内。