口内炎は食欲不振、嚥下障害、味覚障害の原因にもなります。抗がん剤などの治療により口内炎の症状が出たら、まず担当医はじめ医療従事者に相談しましょう。ここでは口内炎に対する予防を含めたセルフケアのポイントと関連アイテムを紹介します。
セルフケアのポイント
保清
歯磨き・舌のブラッシング
- 毎食後に加えた回数の歯磨きをします。
- 毛が柔らかい歯ブラシをつかい歯茎や口の中の粘膜を傷つけないようにします。
- 歯ブラシが届かない箇所にはワンタフトブラシや歯間ブラシを使います。
- 舌のブラッシングには舌ブラシを使い、舌を傷つけないようにします。
- 歯磨き粉はメントールやアルコールが含まれていないものを使用するとよいでしょう。
入れ歯
- 毎食後入れ歯用ブラシ(義歯ブラシ)でブラッシングします。
- 入れ歯洗浄剤を利用して清潔を保ちます。
- 夜間は入れ歯の汚れを取り除いた後、清潔を保った容器で保管します。
うがい
- 水やお茶でこまめにうがいを行います。
保湿
- 口の中が乾かないように常に保湿します。
- 保湿には、市販のスプレータイプやジェルタイプの保湿剤もあります。
- マスクを着用することで口の中の乾燥を防止します。
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食事の工夫
- 口の中を刺激するような味や温度、硬さ、大きさなどがある食品や飲料を控えます。
- 食事は細かく刻む、ミキサーにかける、やわらかくする、とろみをつけるなど工夫して摂るようにします。
- 味は薄味で、ひと肌程度の温度にします。
- 飲料やゼリータイプの栄養補助食品を利用することもよいでしょう。
- レトルト食品を利用するという選択肢もあります。レトルト食品は長期の常温保存ができ、調理もレンジや湯銭で温めるだけで、食べたいときにすぐ利用できるため便利です。
- 宅配食サービス会社では、噛む力や飲み込む力が弱くなってきたご高齢の方を配慮して、柔らかい食事を提供しています。口内炎や嚥下障害があるときにこのような宅配食サービスを一時的に利用することも一つの選択肢でしょう。ここでは柔らかい食事を取扱う全国展開の宅配サービスを紹介します。
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治療前のケア
- 口の中の状態を観察します。
- 歯科医院で歯石除去やクリーニング、虫歯の治療を済ませます。
- 常に口の中を清潔にするための歯磨きの仕方や口腔ケアの指導を受けます。
がん医療連携歯科医院
がん治療の全期間を通じて、口腔ケアは大切な役割を担っています。 口腔ケアは、がん治療の副作用を軽減し、術後合併症の予防に効果があります。がん治療中でも、しっかりと噛めておいしく食事ができ、楽しく会話をすることは、 栄養面や精神面にも良く、免疫力を高めることにもつながります。
厚生労働省の委託を受けて日本歯科医師会が主催する「全国共通がん医科歯科連携講習会」を受講し、がん患者の口腔ケアや歯科診療についての知識を習得した歯科医にはついて、「がん診療連携登録歯科医」という名称がつけられます。
がん診療にはさまざまな治療法が用いられます。治療中のがん患者様に診療状況に応じた的確な歯科治療は「がん診療連携登録歯科医」しか治療ができません。
※お近くのがん診療連携登録医の歯科医院については、「がん情報サービス がん診療連携登録歯科医名簿」をご参考ください。
がん診療連携登録歯科医
がん情報サービス がん診療連携登録歯科医名簿
口内炎の症状が出た時のケア
- 低刺激性の歯磨き粉で歯磨きをします。
- 痛みや出血がある場合、ワンタフトブラシや歯間ブラシを使います。
- 歯ブラシが使えない場合でも、こまめにうがいは続けます。
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