障害のある方のための医療費助成として、重度心身障害者医療費助成と自立支援医療制度について紹介する記事です。重度心身障害者医療費助成は、重度の障害を持つ方が医療費の一部を助成される制度です。自立支援医療制度は、障害者の更生医療や育成医療を助成する制度です。それぞれの対象者や申請方法などを解説します。
重度心身障害者医療費助成
重度の障害を持つ方が公的医療保険で医療を受けた際に、自己負担分の医療費を助成する制度 です。がん治療を支援する制度としても利用できます。この制度は、障害がある方とその家族の経済的な負担を軽くするために、都道府県や市町村が行っています。精神障害者保健福祉手帳の所持者が対象かどうかは、自治体によって異なります。
重度心身障害者医療費助成の対象者は医療保険(国民健康保険、社会保険、共済組合など)に加入しているうえで、次のいずれかに該当する方です。
- 身体障害者手帳1級または2級を持っている方。(内部障害は3級)
- 療育手帳A程度を持っている方。(愛の手帳1・2度)
- 身体障害者手帳3級に加えて療育手帳B1程度を持っている方。
- 精神障害者保健福祉手帳1級を持っている方。(精神病床への入院費用は除く)
- 後期高齢者医療制度の障害認定を受けている方。
重度心身障害者医療費助成を受けるためには、 お住まいの市区町村の障害福祉の担当窓口で申請 する必要があります。申請に必要な書類は市町村によって異なりますが、一般的には以下のものが必要です。
- 身体障害者手帳または療育手帳
- 健康保険証
- 通帳(本人名義)
- 印鑑など
精神障害者保健福祉手帳をお持ちの方が対象の場合は、その手帳も必要です。所得制限がある場合は、所得課税証明書も必要な場合があります。
重度心身障害者医療費助成の対象者には、 「重度心身障害者医療費受給資格者証」 が交付されます。この証を医療機関や薬局などで提示することで、医療費の助成を受けることができます。
助成の方法や一部負担金などは、お住まいの市区町村によって異なりますので、担当窓口でご確認ください。
相談窓口
各自治体担当課(障害福祉担当課など)
自立支援医療制度
心身に障害がある方が、その障害を改善するための医療を受ける際に、医療費の自己負担を減らすことができる制度です。この制度は、以下の3つの種類に分かれています。
- 精神通院医療:統合失調症などの精神疾患を持ち、通院で精神医療を必要とする方が対象です。向精神薬や精神科デイケアなどが支給対象になります。
- 更生医療:18歳以上で、身体障害者手帳を持ち、手術などで障害を改善できる見込みがある方が対象です。人工関節置換術や水晶体摘出術などが支給対象です。
- 育成医療:身体に障害を持つ18歳未満の児童で、手術などで障害を改善できる見込みがある方が対象です。同じく人工関節置換術や水晶体摘出術などが支給対象です。
この制度を利用するには、市町村の窓口で申請する必要があります。申請する際には、所得証明書や医師の診断書などが必要です。詳しくは、お住まいの市町村にお問い合わせください。
自立支援医療制度では、心身の障害を持つ方が医療を受けやすくするために利用者の所得や障害の程度に応じて、自己負担額の上限が決まります。例えば、精神通院医療では、所得が低い方は月額500円以下、中間所得の方は月額5,000円以下、高所得の方は月額10,000円以下となります。設定額に満たない場合は原則1割負担になります。また、重度かつ継続的に高額な医療費を必要とする方は、月額2万円以下となります。
自立支援医療制度は、都道府県(指定都市、中核市)によって指定された指定自立支援医療機関で治療を受ける必要があります。
相談窓口
各自治体担当課
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