ここでは、小児がんの治療に関するさまざまな医療費助成制度を紹介します。小児慢性特定疾病医療費助成をはじめ、乳幼児や子ども、未熟児の医療費助成制度や自立支援医療制度について、制度の概要や申請方法などを紹介します。
小児慢性特定疾病医療費助成
小児がんと診断された場合は、健康保険のほかに、「小児慢性特定疾病医療費助成制度」が利用できます。この制度では、18歳未満(18歳になっても治療が必要な場合は20歳未満)の子どもの医療費の自己負担分の一部や入院時の食事代を補助してくれます。通院費や宿泊費なども助成対象となります。自己負担限度額は、生計中心者の所得に応じて決まります。また、重症患者や人工呼吸器等装着者にはさらに優遇措置があります。
対象年齢を0歳から小学3年生まで「乳幼児医療費助成制度」、4年生から中学3年生まで「子供医療費助成制度」と呼称を分ける、所得制限を設けるあるいは設けない等、自治体により異なります。
対象になる方の要件は自治体によって異なります。以下は一例です。詳しくはお住まいの自治体にご相談ください。
- 0歳から〇歳(自治体によって異なります)に達する日以降最初の3月31日までの方
- 国民健康保険または各種社会保険に加入している
- 生活保護・里親制度など受給していない
- 児童福祉施設等に入所していない
この制度を利用するには、都道府県や指定都市・中核市の窓口に申請する必要があります。申請に必要な書類は以下の通りです。
- 小児慢性特定疾病医療費支給認定申請書
- 小児慢性特定疾病医療意見書(診断書)
- 住民票
- 市町村民税(非)課税証明書などの課税状況を確認できる書類
- 健康保険証の写し
- 医療意見書の研究利用についての同意書
申請が認められると、「医療受給者証」が交付されます。この証を提示することで、指定された医療機関で受診した際の医療費が助成されます。ただし、指定された医療機関以外では助成対象外となりますのでご注意ください。
詳しくは、「小児慢性特定疾病情報センター」や各自治体にお問い合わせください。
相談窓口
- 小児慢性特定疾病情報センター
- 各自治体担当課
乳幼児医療費助成制度、子ども医療費助成制度
子育て世帯の子供への医療費を負担を軽減するため、自治体が助成する制度です。基本的に小学校卒業までの児童が対象です。例えば、公的健康保険で医療を受けた場合、未就学児で 2 割、小学生で 3 割の自己負担の一部または全額を自治体が助成します。助成内容や助成期間等、自治体によって異なりますので、お住まいの自治体にご確認ください。
申請すると「医療証」が交付されます。この医療証を提示することで、医療費の助成を受けることができます。
相談窓口
各自治体担当課(例:児童福祉課)
未熟児養育医療の給付
未熟児や低出生体重児など、特別な養育が必要な乳児が指定養育医療機関で入院治療を受ける場合、必要な医療費の一部が給付される制度です。対象は、生後3か月未満(早産児は生後6か月未満)の赤ちゃんで、出生時に特定の基準を満たす子どもです。基準の詳細については、お住まいの自治体でご確認ください。
この制度を利用するには、健康保険組合や社会保険事務所などに申請する必要があります。申請に必要な書類は以下の通りです。
- 未熟児養育医療給付申請書
- 未熟児養育医療給付診断書
- 健康保険証
- 領収書
自立支援医療制度(育成医療)
身体に障害を持つ児童(18歳未満)が、その障害を改善するための手術などの治療を受ける際に、医療費の自己負担を減らすことができる制度です。この制度は、小児がんの患者さんにも適用される場合があります。
外科的手術や放射線療法、薬物療法による障害や後遺症は、子どもの将来の生活や学業に大きな影響を及ぼす可能性があります。そこで育成医療制度では、これらの障害を改善するための手術などの治療を受ける子どもに対して、医療費の自己負担を減らすことで、経済的負担を軽減するとともに、より自立した生活を送れるように支援することを目的としています。
育成医療制度を利用するには、市町村の窓口で申請する必要があります。申請する際には、所得証明書や医師の診断書などが必要です。詳しくは、お住まいの自治体にお問い合わせください。
相談窓口
各自治体担当課
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